旅の絵本

著者:安野 光雅

出版社:福音館書店

対象年齢:5歳~

「道はどこまでも続いておりました。丘を越え、川を渡り、果てもない緑の牧草地に沿っておりました」

あとがきで語る作者の言葉こそが、この絵本そのものだと言えるでしょう。

全頁が絵のみで構成された作品は、冒頭に書かれた「旅人」が風景のなかを旅する「絵の本」です。

ひとつひとつの景色や仕草の隅々までが非常に繊細に描かれ、読者はいつのまにか頁の中に引き込まれた旅人の気分に浸ることでしょう。

作品のところどころには、有名な名画や童話のワンシーンが、遊び心を含んだ隠し絵として登場します。それらを見つける楽しみも、この絵本の魅力を倍増させてくれるに違いありません。

最後の頁を閉じるとき、日常の時間を忘れ、どこかの国の、知らない街を旅したような、ゆったりとした気分に満たされていることに気付くかも。

絵本の中の旅に魅せられた方は、現在5作目まで続く新しい旅へ出かけてみてください。

※2019年7月現在 9作目まで発売されているようです

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